17年ぶりに消費税が引き上げられた。国は中小・零細企業が取引先に増税分を転嫁できるよう対策に取り組み、県内企業にも浸透しつつある。ただ、消費者離れを懸念し、過去の増税時に十分な転嫁ができなかった事例もある。増税に加え、原材料費や燃料費などの値上がりも続いており、県内の中小・零細企業からは「増税分を転嫁し続けられるのか」「コスト増を価格に反映するタイミングが難しい」との声も上がっている。

 協同組合は業界団体で一体となって増税分の価格転嫁を交渉できる、独占禁止法の適用除外を申請できる。

 全国組織がカルテルを届け出ている、県豆腐油揚商工組合の久高将勝理事長は「増税分は転嫁できるように取り組んでいく」と話すが、「原材料費や燃料費なども高騰している。本体価格の引き上げも必要だが、買い控えを懸念し、値上げできない業者がほとんど」。大豆価格は5月にも約1割アップする予定で「消費者に理解を得て価格を見直したいが、増税もありタイミングが難しい」と語る。

 沖縄生麺協同組合の宮城實理事長も「量販店への転嫁は問題ないと思うが、家族経営的な食堂などに卸す場合、果たして十分に転嫁できるのか、悩ましい面もある」と4月以降、組合員の実態を聞き取りする考えだ。

 沖縄総合事務局では昨年10月、中小企業課と公正取引室に消費税転嫁対策室を立ち上げた。立ち入り検査などの権限を持つ、価格転嫁対策調査官(価格Gメン)をそれぞれ配置。中小企業からの相談や増税分の価格転嫁の周知に努めている。

 昨年11月に中小企業庁と公正取引委員会が実施した全国15万社へのアンケートで、価格転嫁拒否などの疑いがある業者への立ち入り検査を中小企業課で7件、公正取引室で2件をすでに実施している。同事務局では増税後に、買いたたきなどの違反事例が増える可能性があるとみて、販売現場での動向を注視する。