日付が変わり、消費税8%時代の幕が開けた。「しわ寄せは庶民に来る」「節約しなきゃ」。暮らしのあらゆる場面で、戸惑いと渋面がみられた。料金変更のため、未明の作業をする事業所も多数。1日の県内の動きを追った。

消費税が8%になり、値段が貼り替えられる自販機=1日午前9時52分、那覇市・壺川駅

午前0時境に「明暗」
コンビニ
 

 31日午後11時58分 那覇市久茂地のコンビニ。送別会の帰り、豊見城市の会社員、大森翔也さん(24)はたばこを買った。「あと2分遅れたら20円上がっていた。とりあえず1箱でも」

 1日午前0時2分 同じコンビニで同僚の里龍一さん(25)=糸満市=は間に合わず、108円でチョコを買った。「105円の時よりぜいたくな味?」とおどけた。

 0時9分 那覇市のサービス業、赤嶺由香里さん(30)は、泉崎のコンビニを訪れ、近くで残業する同僚に差し入れるお菓子など1182円分を買った。「まだそんなに上がったという感じはしないけど、積もり積もって大きな負担になるんでしょうね」

 9時15分 那覇市の天久りうぼう。飲料や酒類売り場を担当する店員の東隆太さん(30)は、前夜から午前2時ごろまで値札の交換に追われ、朝は8時半に出勤した。「目覚まし時計をセットして気合で起きました」。価格表示に間違いがないか念入りにチェックした。

 9時40分 モノレール壺川駅。自動販売機の料金表示を貼り替えていた沖縄サンポッカの大城善一郎さん(38)は「料金プレートを1枚ずつはがすのが大変」と苦笑い。担当分の自販機100台を順次変更していく予定で「増税で作業量は倍くらい増えている」と言う。3月は駆け込み需要で空港や病院、沖縄自動車道の売店向け出荷が伸びたが、「4月は反動が心配」と話した。

送料 帰省時より割高
電話・郵便
 

 1日午前0時26分 お酒を飲んだ後、那覇市泉崎で運転代行に電話した那覇市の公務員、玉城健さん(40)。「これまでも消費税は意識していなかったからか、上がるのはしょうがないと受け止めてます。どう使われるかは、(政府を)信用したい」

 10時20分 那覇中央郵便局。沖縄市への里帰りを終えて福岡県に戻るため荷物を送った中学校講師の小井手ひとみさん(41)は「帰省時と比べて料金が高くなったが、仕方ないですね」と渋い表情。「増税は庶民へのしわ寄せが多い」と眉をひそめ、「食品に軽減税率を取り入れる話もうやむやになっている」と政府に苦言を呈した。

あい、何でバス賃高い
交通

 1日午前2時59分 南風原町の三和交通本社営業所には、メーター改修のため夜勤を早めに切り上げたタクシーが10台以上。電子部品交換を中心になって進めた整備員の兼島景吾さん(37)は「きょうのため、同僚の他の整備員には練習もしてもらった。昼勤が始まる午前5時までに終わらせます」。乗務を終えた運転手の高良憲恒さん(63)は「3%分歩いてから乗るお客さんがいるかもね」。

 8時30分 沖縄自動車道の西原インターチェンジは事故の影響があり大渋滞。「料金上がったの?」と驚くドライバーもいた。午前0時から4時まで料金受け取りを担当した大城順子さん(48)は「増税前の料金を払う人もけっこういた」。自身も慣れない釣り銭計算に電卓を使ったため、「いつもよりおつりを渡すのが遅れました」と話した。

 10時44分 八重瀬町の女性(75)は、那覇市の開南バス停で下車する際、料金表示板を見て戸惑った。「私、間違ってる? あっそうか、消費税か」。バスを降りると苦笑いし、「しっかり取られましたよ。これから買い物だけど、節約しないとね。シーミーもあるし大変さー」

 10時59分 那覇市若狭の浜元米子さん(80)は、南風原町の病院からの帰りに夫と一緒にバスを利用したが「あい、なんでかね?」。合わせて20円高い運賃に顔を見合わせた。「これも慣れてくるんだはずね」

 11時45分 石垣市内で用事を済ませ、西表島に戻る船を待っていた自営業の金盛美文さん(38)は「ガソリンも日用品も沖縄本島から石垣、西表と運搬されるうちに高くなる。増税はじわりと影響を与えるはず」と渋い顔。「ドライバーもそうだが、漁師や農家は燃料代が高くなると家計に直結する」と島の人々の生活を心配していた。