識名トンネル建設工事に関する補助金不正受給・返還問題をめぐる住民訴訟の弁論で那覇地裁(鈴木博裁判長)は2日、訴訟要件である住民監査請求が適法な期間内になされたという前提で審理に入ることを決めた。次回は6月11日。

 住民側は、県の虚偽契約による違法な公金支出の概要などを明らかにする。識名トンネル問題の追及は、司法の場に移った。

 仲井真弘多知事を被告に、県内在住の11人が12年12月、提訴。仲井真知事や当時の土木建築部長、南部土木事務所長、工事を請け負った大成JVの計4者で国への返還金5億8千万円の利息分7177万円余を連帯して支払わせるよう求めている。

 県は2010年度、追加工事の公金を支出した。

 住民監査請求ができる期間は、公金支出から原則1年以内とされる。住民側は「期間制限は当てはまらない」と主張。県側は「監査請求ができる時期を過ぎている」と審理に入る法的根拠がないとしていた。

 原告の北上田毅さんは、「百条委は与野党の対立で真相を明らかにできなかった。法廷で初めて真相究明できる。知事は法廷で説明してほしい」と話した。

 県の當銘健一郎土木建築部長は「これまで請求の原因などに対する認否は留保していたが、裁判所の方針に従い適切に対処したい」とコメントした。

 問題は11年に発覚。県議会の百条委は、追加工事をめぐる対応を「談合と指摘されてもやむを得ない」などと結論づけた。補助金適正化法違反などで県土木建築部の幹部ら十数人の書類送検を受け、那覇地検が捜査している。