みなさんは「てんかん」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。

 「泡を吹いて倒れる」「白目をむいて体をガクガクさせる」といった状態をイメージする人が多いのではないかと思います。間違いではありませんが、そのイメージはてんかんの一部の症状です。

 他にも「ボーっとして数秒意識が飛ぶ(わからなくなる)」「口をもぐもぐさせたり、舌をべろべろ出したりする」「一瞬両腕がビクンっとぴくつき、物を持っていたら落としてしまう」「テーブルの周りをくるくる回りだす」などがてんかんの発作で見られることがあります。

 てんかんを持っている人の割合は人口の1%程度といわれています。100人に1人はてんかんを持つことになりますので、決してまれな病気ではありません。

 てんかんになる原因はさまざまですが、全体の70%は脳に構造的な異常はなく、体質または遺伝素因が関与していると考えられています。残り30%は脳の奇形や腫瘍、外傷、脳炎後など、構造的な異常が原因となっています。

 てんかんは慢性の脳の病気ですので、1度きりの発作でてんかんとは診断できません。同じ発作が2回以上反復してみられることが重要で、その症状と脳波などで診断を決定します。

 特に重要なのが(1)発作の始まりかた(2)発作全体の様子(3)起こりやすい時間帯(4)引き金になった事柄(誘因)です。てんかんを目撃することは多くありませんし、実際てんかん発作を目撃しても、驚いてしまってどんな様子だったか覚えてない人も多いです。しかし発作の様子は、どんな治療が適切かを決定するのにとても重要です。

 ひと昔前までは、てんかんというだけで予防接種ができませんでしたし、車の運転もできませんでした。現在は体調をみながらですが、すべての予防接種を受けることができます。車の運転も、条件を満たせば薬を飲みながらでも許可されます。

 ただ、てんかん発作を恐れるあまり、過剰に生活が制限され、職業が選択できなくなっている人もいます。てんかんの理解がまだまだ必要なところです。

 てんかんにも種類があり、対応もさまざまですので、ぜひご理解いただきたいと思います。(城間直秀・発達神経クリニック)