【嘉手納】米軍嘉手納基地の悪臭問題を改善するため、基地周辺の大気汚染の実態を把握しようと、嘉手納町議会(徳里直樹議長)が調査実施に向けた検討を独自に進めている。早ければ今夏までに調査方法をまとめ、国への提案も視野に町と連携して問題の改善につなげたい考えだ。

嘉手納基地を離着陸したり、エンジンを調整したりする米軍機からの排ガスに対する周辺住民の不安は大きい=2014年3月

 嘉手納基地周辺では米軍機の爆音以外に、排ガスによる悪臭も長年、問題となっており、町民の苦情がたびたび町や議会にある。

 町議会が検討する調査は、環境省が定める健康リスクがある程度高いと考えられる22の有害大気汚染物質に対象を広げ、海軍駐機場に近いニライ消防本部や町役場、6行政区の計8カ所で測定する計画。南風で住宅地への影響が大きい夏場と、北風で影響が少ない冬場を比較するため、月1回、年間を通じてサンプルを採取する。毎日の測定は予算が膨大になるため、困難という。

 訓練やエンジン調整などで悪臭がある日を選んで測定し、同時に自動車の交通量も調べることで、排ガスが米軍機によるものか自動車によるものか識別できる可能性があるという。

 環境調査を専門とする総合環境研究機構の佐久間隆企画開発部長は「そもそも年間を通した基礎データがないので、科学的根拠が期待できる」と指摘している。

 問題改善のため、町議会は昨年夏から勉強会を開催。奥間政秀町議は「体感で航空機のエンジン調整が原因だと推測する」と説明。徳里議長は「いつまでも不安を抱えたままではいけない。健康被害などの不安を解消したい」と訴える。

 町の要請を受け、昨年9月には環境省が基地周辺で調査。4月中旬にも結果がまとめられるが、測定時期や項目が限られていることから、防止対策につながるかは不透明だ。

 那覇防衛施設局(当時)は2003年、基地周辺で大気汚染や悪臭物質を調査し「航空機の排ガスの影響は明確でなく、道路交通による影響も考えられる」と結論付けた。防止対策が進まないため、住民はその後も悪臭被害にさらされ、不安は募っている。