【うるま】中部農林高校の熱帯資源科の生徒が、動物愛護管理センターに保護された殺処分間近の犬を引き取り、人の治療やリハビリで活躍するセラピー犬を育てている。昨年4月に引き取った犬は「ひまわり」と名付けられ、約1年間の訓練の末、今年2月にセラピー犬の認定試験に合格。生徒はひまわりを連れて小中学校へ出向き、ペットを飼う責任や命の大切さを呼び掛けている。(松田麗香)

セラピー犬を育成する動物介在活動チーム。前列左から4頭目がひまわり=うるま市の中部農林高校

 中心メンバーは、セラピー犬を育成する部活動「動物介在活動チーム」の8人。飼育する動物は教材として県費で買うことが決まっており、これまでは「セラピー犬の資質がある」とされる血統書付きの犬を買って育てていた。

 保護された犬を育て始めたのは、地域の産業まつりでセラピー犬の触れ合い体験を開いた際、客に「殺処分される犬はたくさんいるのに血統書付きを買っている」と指摘されたのがきっかけ。「動物愛護を考えてもらうきっかけにしたい」と2012年8月から活動を始めた。

 犬を保護する動物愛護管理センターは、規則で複数の犬を飼育する相手に譲渡していないが、校内で飼育する目的や犬舎、飼育する犬の犬種などをまとめた嘆願書を受け、特例として生後約2カ月の雑種(ひまわり)を譲った。

 初めは警戒心が強く人にほえることも多かったが、学校で多くの人と触れ合う中で人懐っこい犬に成長。認定試験は100点満点中96点を取る優秀な成績で合格した。

 メンバーの一人で3月に同校を卒業した西村藍海さん(18)は「保護犬の引き取り先になるのではなく、人のパートナーとして犬の可能性や魅力を伝えるのが目的」と話す。

 現在、その思いを下級生らが引き継ぎ、ひまわりやほかの犬と一緒に学校などを訪問。さらに、活動をより広く知らせようとヒマワリの花を栽培し、地域に配る計画だ。