泡盛づくりに欠かせない黒麹菌(くろこうじきん)を製造・販売する石川種麹店(北谷町、渡嘉敷みどり代表)は、新たな黒麹菌の普及に取り組んでいる。現在、2種類しか使用されていない黒麹菌の種類を増やすことで、消費者ニーズに合った多様性のある泡盛製造が可能になり、「泡盛の消費量増加につながる」と期待する。酒造会社が採用すれば、50年ぶりに新たな黒麹菌を使った泡盛が誕生する。(照屋剛志)

新しい黒麹菌で作った泡盛の試飲会(トロピカルテクノプラス提供)

 黒麹菌は、泡盛の原料のタイ米のでんぷんを糖質に変える役割がある。その後、酵母による糖質発酵でアルコールにし、蒸留などを経て泡盛となる。

 同社と、トロピカルテクノプラス、食品発酵工房むんなみが保存していた黒麹菌13種類から、増殖が早く、糖質をより多くつくれる4種類を選抜した。3者共同で研究した。

 2月に酒造会社を招いた試飲会では「甘い香りが特徴的」「バランスのとれた味」との評価があった。数社からは実際に使用してみたいとの声もあったという。早ければことし中にも酒造会社と共同で試作品を作って、普及させたい考え。

 黒麹菌を製造・販売しているのは、県内で同社のみ。黒麹菌は1960年ごろから2種類しか供給していない。渡嘉敷正司取締役は「新たな黒麹菌が採用されれば、50年ぶりに種類が増える」とし、「新商品開発などに弾みになり、泡盛の消費拡大につながる」と期待する。

 泡盛の出荷量は、若者のアルコール離れや焼酎ブームの落ち着きで、9年連続で減少。県内外ともに消費が落ち込んでおり、需要拡大のため、消費者ニーズの掘り起こしが求められている。

 渡嘉敷取締役は「黒麹菌の種類が増えれば、消費者ニーズに合った泡盛も製造できるようになるだろう」とした。