企業の看板など那覇市内にある屋外広告物の表示・設置について、那覇市都市計画課が調査したところ、許可申請が必要な屋外広告物1万9千件のうち約9割が未申請のままになっている。市は昨年4月の中核市移行に伴い、県から権限委譲された許可申請について広報強化をしているが、市民や企業への浸透は低調。担当者は今年6月に屋外広告物に特化した景観賞公募を実施し、申請率アップを目指す方針だ。(吉川毅)

屋外広告物の申請アップを目指し、企業向けガイドラインの配布や景観賞公募を呼び掛ける那覇市都市計画課の職員=9日、那覇市役所

 屋外広告物は、ビルの壁面に表示された企業や店舗名の看板、電光掲示板、自動車などの車体広告、電柱や塀に貼り付けられたビラやチラシなどが該当する。

 市が中核市移行前の昨年3月に調査したところ、市内の屋外広告物は約4万4千件あった。そのうち1万9千件は許可申請が必要なものだったが、95%は未申請であることが分かった。

 約40年前から施行されている県の屋外広告物条例が、県民や企業に浸透していないのが低い申請率の原因だとし、市は中核市移行に伴い「市屋外広告物条例」を施行。広告物を「おもてなしの心でつくる思いやりのサイン」とする基本理念に掲げ、企業向けのガイドラインを作成するなど広報強化に乗り出している。

 許可申請については、県の2010年度~12年度の那覇市内の年平均許可申請数は約110件。中核市移行後の13年度に市が受け付けた許可申請数は約130件で約20%増えた。

 同課都市デザイン室の浦崎宮人主幹は「市内には、ひとつのビルに広告物が乱立していたり、自然景観や街並みに合わない派手な色を使用している看板などもある」と説明。さらに、地域住民や通行者、運転者の見通しを妨げたり、強風で倒れるなどの危害を未然に防ぐためにも「申請は必要」と強調する。

 市屋外広告物条例では広告物の禁止地域や禁止物件のほか、許可地域でも大きさが決まり、罰則もある。

 浦崎主幹は「ルールを守ることが美しい景観とまちづくりにつながる。広告物の内容によっては他の関係法令への届け出が必要になる場合もあるので、事前に市に相談してほしい」と呼び掛けている。