【南風原】県内で唯一、海に面していない南風原町が、津波被害について「防災・減災お役立てマップ帳」を作り、町民に注意を促している。津波が発生した場合、町と豊見城市の境を流れる長堂川をさかのぼり、両岸が浸水する恐れがあるからだ。ただ、実際には津波より台風や土砂崩れによる被害の可能性が高いと見ており、マップには台風時の注意事項や土砂崩れが想定される箇所も盛り込んだ。(又吉健次)

長堂川と南風原町津嘉山の低地帯。金良橋(手前)から北側を望む=3月31日

津波による浸水の恐れがある地域

長堂川と南風原町津嘉山の低地帯。金良橋(手前)から北側を望む=3月31日 津波による浸水の恐れがある地域

 マップは県のデータを基に町がまとめた。マップによると、津波が来た場合、浸水する恐れがある地域は町津嘉山の国道507号西側を南北に流れる長堂川両岸で、豊見城市の翔南製糖に近い琉糖橋から南側の金良橋間の約300メートルの地域。

 海抜4メートル前後の地域で浸水の程度は大半が30センチ未満。場所によっては1~2メートル未満の地点もある。

 県によると、浸水可能性がある地域が豊見城市側に広いのは「川底の高さが影響している」(県海岸防災課)とみられている。

 南風原町側には人家や事業所はなく、町は川やその周辺で水位が高くなると想定、家屋浸水も含め「被害はないものと予測される」としてきた。

 しかし、町地域防災計画の見直しで、町議の指摘を受けて「想定外の事態を考慮することも重要」と判断。3月議会で可決された計画で、町民が町外で津波に遭うことも考え避難の知識普及、防災訓練に取り組むことを決めた。

 津嘉山区ではすでに昨年、津波を想定した避難訓練を実施。金城計邦(かずくに)区長は、東日本大震災を挙げ「海に面していないから絶対安全とは言えない」と気を引き締める。

 マップには避難場所や地域の海抜を表示しており、1万6千冊を全世帯に配布した。