環太平洋連携協定(TPP)について考えるフォーラムが10日、那覇市内であり、農政ジャーナリストの中村靖彦氏が「TPP後の日本を考える」と題して講演した。

 中村氏はTPP締結で、落ち込みが危惧される食料自給率について「食べ物は身の回りにいくらでもあり、日本の食生活が悲惨な状況ではない。食料自給率の目標設定はナンセンス」と強調。耕作放棄地の低減や後継者育成など、農業の根本的な課題を解決するような目標を掲げるべきだと主張した。

 TPPの影響を予測するには、2012年に発効した米韓自由貿易協定(FTA)が参考になるとした。「韓国の農業は(関税撤廃で)海外との競争にさらされ、壊滅するとみられている」として、米国主導のTPPが「日本の国益につながるのか」と疑問視した。

 一方、韓国は「農業のない国は、先進国になれない」との考えが浸透しているため「経済界の農業へのバックアップが大きい」と指摘。「自国の食料を大事にしようという気持ちが経済界にまで広がれば、食料の安全保障を守れるのではないか」と述べた。