那覇市議会(安慶田光男議長)は1970~72年の米軍統治下の市議会議事録を電子書籍化し、市議会ホームページ(HP)で公開した。当時の社会状況を残す資料の保存と、歴史研究への活用が狙い。議会事務局によると、県内市町村で初めて。10日、市議会で会見した安慶田議長は「沖縄の歴史に対する県内外の認識、相互理解の向上が期待される」と話した。

電子化してHPに公開した1970~72年の那覇市議会議事録

 HPで公開したのは本土復帰前の70~72年に記録された議事録21冊、約7300ページ。米軍政権下~復帰前後の住民生活や政治状況を残す貴重な資料となっている。

 71年10月の臨時会であった沖縄返還協定に関する決議の議事録もあり、「那覇市議会は施政権返還に関する要請を過去幾度も行ってきたが、今国会で批准、審議されようとしている諸法案については県民の正しい意思が反映されていない」と不満を表明している。

 72年4月の臨時議会では、公設市場や児童手当のドル表示を円に切り替える条例制定のほか、ドル建ての水道料金や児童手当、市職員の給与をいくらで円に換算するかといった議論が記録されている。

 安慶田議長は「本土と異なる政治形態下にあった議会運営の記録として、歴史的資料として、沖縄の歴史研究に提供できる」と電子化の意義を説明。2014年度は1961~69年までの議事録を電子化し、HPで公開する。

 同事業は市が一括交付金を活用した。総事業費は2013、14年度で計3301万9千円、市の持ち出し分は2割となっている。