長寿県日本一の座から転落し、後退するばかりの沖縄県の平均寿命。かつての長寿県の輝きを取り戻そうと県民ぐるみの運動が始まった。

 県内の約70に上る、ほぼあらゆる団体を網羅した「健康長寿おきなわ復活県民会議」(会長・仲井真弘多知事)が発足した。26年後の2040年に、男女とも平均寿命全国1を奪還するという長期的な目標を掲げている。

 厚生労働省が13年に発表した平均寿命で、女性が1位から3位に転落した。男性も25位から30位に順位を落とした。「330ショック」である。男性は1985年に1位だったことを考えると、もはや長寿県とは言えない。

 健康長寿のブランドを取り戻すのは、一朝一夕にはできないことを肝に銘じたい。

 県民会議は長寿を阻害している要因を解消するため、定期的な健康診断の受診や肥満の解消、適正飲酒-の3本柱を重点項目に挙げる。

 ただ、全国1に返り咲く目標を2040年に定め、その後も維持することを念頭に置くならば、大人だけではなく、低年齢の早い段階からの取り組みが求められる。健康を維持するには食事と運動のバランスが重要で、子どものころからの生活習慣づくりが予防につながるからだ。

 気になるデータがある。13年の調査で県内の小学5年男女と中学2年男子で体育の授業以外は全く運動をしていない割合が全国ワーストであることが県教育庁の分析で分かっている。中学2年女子もワースト9位。なぜなのか。継続的な調査が必要だ。

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 県内では20~64歳までの働き盛り世代が脳出血、急性心筋梗塞、慢性肝疾患・肝硬変などの生活習慣病で死亡する割合が全国より高い。

 職場の定期健康診断で異常が認められた人は12年、63・9%に達し、2年連続全国ワーストだ。3人に2人が異常を抱え、特に血中脂質、肝機能、血圧などの生活習慣病の要因とされる項目で高い。

 最近「健康経営」と呼ばれる企業戦略が注目されている。社員が健康であることは、本人にとってはもちろん、企業の生産性向上の観点からみてもプラスになるという考え方だ。特に中小零細がほとんどを占める県内では社員が健康であることは企業の消長に直結する。

 沖縄労働局が中心となり、産業、労働、医療界の代表らで県産業保健推進協議会を結成。「働き盛りの健康改善策」を提言した。企業が「健康経営宣言」をすることや、肥満・生活習慣病を予防する手始めとして職場ぐるみのウオーキングを提唱している。

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 米軍占領下の時代に急速に進んだ食生活の欧米化と、車社会といわれ歩くことが極端に少ないことなどから肥満率は、男女とも全国平均を大きく上回っている。

 福島県会津美里町では町民が会員となって血圧測定でポイントをため、商品券と引き換える事業を展開している。健康と地域活性化につなげる一石二鳥を狙った試みだ。

 県民会議には楽しみながら健康長寿への意欲を引き出す事業をひねり出してほしい。