【ブランドン・イング通信員】八重山高校郷土芸能部が3月30日、ホノルル市内の慈光園本願寺で公演した。ホノルル出身の県系4世で琉球舞踊教師のエリック和多さん(47)が仲介して実現。郷土芸能部の高校生はハワイ語だけで授業するイマージョン学校も見学、独自の言葉や文化を大切にした教育に触れ、石垣島の文化や島くとぅばの大切さを広く伝えようと感じている。

「まみどーま」を踊り、会場を沸かせる八重山高校郷土芸能部=ホノルル市内

 郷土芸能部は全国高校総合文化祭に県代表で何度も出場、東京の国立劇場での公演実績を持つ。今回、部長で3年の名嘉夏海さんら25人が八重山を代表する「鷲ぬ鳥」「黒島口説」などの歌や踊りをステージで発表した。

 公演はエリックさんが昨年11月、八重山高校を訪れ、郷土芸能部の練習を見学した際に、琉球舞踊と異なる八重山特有の歌と踊りをハワイの人々に見せたいと、ハワイ公演を呼び掛けたのがきっかけ。芸能部顧問の長浜大樹教諭(40)が多くの県系人が住むハワイでの公演を芸能部の生徒に経験させたいと尽力した。

 一方、生徒らは滞在中、ハワイのイマージョン学校を訪問。ハワイの学生がハワイ語のチャンツ(祈りの歌)で歓迎すると、芸能部の生徒も「ユンタ」を歌うなど互いの芸能文化で交流した。

 芸能部の生徒の中にはハワイ語をはじめ、文化を継承する学校の取り組みを見て「私たちは何もできていない。自分たちの文化について何も知らない」と感じた生徒も。石垣島へ戻ったら、石垣の文化や芸能について広く勉強する必要性を感じていた。

 長浜教諭も「島くとぅばの継承には歌だけではだめ。ハワイに来て、みんなの考え方が変わった」とみている。

 今後は全国大会に出場する目標を持ちつつも、ハワイで気づいた人と人の心の触れ合いや、自身の文化、島くとぅばの大切さなどを全国に発信できるよう舞台を通して伝える考えだ。

 八重芸の舞台を見たハワイの県系人の中には、八重山芸能と沖縄芸能の違いを初めて知った人も。八重山という地域を初めて認識した人もおり、今後、八重山を訪ねてみたいと話していた。

 八重芸とハワイを結んだエリックさんは「八重芸のみんながハワイで経験したこと、自分たちの文化について気づいたことを忘れずに石垣島で家族や友達に伝えてほしい」と願っている。