プロ野球が開幕して半月余り。使用される統一球が基準より飛びやすいボールだったと発表され、波紋を広げている

▼各球団が10試合を終えた時点の総本塁打数は95本。昨季の78本より2割増えた。全体に乱打戦が多いような気がしていたが、飛ぶボールだったと聞けば納得がいく。代替球がないため最短でも7月末まで使用が続く見込みだという

▼そんな投手受難のシーズン、中日の右横手投げルーキー又吉克樹投手=浦添市出身=が開幕から活躍している。14試合のうち8試合に中継ぎで登板。接戦やリードした展開で多く起用され、抜群のマウンド度胸で勝利に貢献している

▼特に奪三振の多さに驚く。投球回わずか10回1/3でセ・リーグ2位タイの17三振を奪っている。威力ある速球やキレのある変化球に、歴代本塁打王のヤクルト・バレンティン選手や巨人・村田選手などのバットが空を切った場面は痛快だった

▼中学、高校とも目立たない控え選手。昨年末の入団会見を取材した際、球団関係者は「10代で肩や肘を酷使していない分、まだまだ伸びしろがある」と期待を寄せた。ずっと補欠だったことがいつのまにかアドバンテージ。そこに人生の妙味を感じる

▼「雑草」投手がプロの世界に挑み、名だたる強打者を手玉に取る。シンデレラストーリーは始まったばかりだ。(田嶋正雄)