県歯科医師会(比嘉良喬会長)の新しい県口腔(こうくう)保健医療センターが南風原町新川にこのほど完成、17日から診療を始める。1975年に浦添市港川に診療所を開いてから県内の障がい者歯科治療をけん引してきた同施設。新たな拠点は診療する面積が約2・6倍に広がり、手術室なども整備された。常勤医は現在の1人が6月からは2人に増え、全身麻酔下で治療できる患者数も大幅に増える。

新たに設けられた手術室を見学する関係者=13日午後、南風原町新川・県口腔保健医療センター

 県歯科医師会の新しい事務所も兼ねたセンターの落成式が13日あり、県歯科医師会など医療や行政の関係者ら多数が新拠点の完成を祝った。

 センターは鉄筋コンクリート造りの地上3階、地下1階(駐車場)で延べ床面積は約3350平方メートル。診療室や処置室、手術室などの診療ゾーンは約520平方メートルあり、旧診療所の2・6倍に広げた。建設の総事業費5億数千万円のうち約2億2400万円を国の地域医療再生基金で充てた。

 障がい者への歯科治療は、音や視覚への過敏な反応や怖さを取り除くことが欠かせない。新センターは落ち着いて治療できるよう広い診療室が確保され、面談室に仕切りもできた。

 自ら痛みを訴えにくい人には、悪化する前の処置やトレーニングも必要で、専門的な知識やマンパワーも求められる。

 施設の整備に併せて常勤医も増える。これまで月4回、午後に限定していた全身麻酔による治療も、6月に常勤医が2人体制となった後は平日なら午前、午後とも可能になる。術前検査のための胸部エックス線や心電図の機械も新たに導入された。

 県手をつなぐ育成会の田中寛理事長は「障がいのある人を受け入れてくれる病院がなかなか広がらない中で、新しい拠点ができたことを喜んでいる」と歓迎。その上で「住んでいる地域で必要な治療ができ、安心して社会生活が送れるよう、本島南部だけではなく、北部や中部など各圏域で体制を整えることを望んでいる」と期待した。