27日投開票の沖縄市長選は告示を20日に控え、革新・中道系無所属の新人で前副市長の島袋芳敬氏(64)、保守系無所属の新人で前県議の桑江朝千夫氏(58)を推薦、支持する県内政党の動きが活発化してきた。市政の先行きを決めると同時に、11月予定の知事選の情勢を占う選挙とも位置づけられ、県内政局の天王山を見据えた各党の思惑が交錯している。

 島袋氏側は社民、共産、社大、生活の4党が推薦するほか、県議会会派の県民ネットも支援している。5団体は知事選の野党候補者選考委員会も構成。従来の「革新共闘」の枠組みを超えるオール沖縄を掲げる知事選を意識し、市長選でも「オール沖縄市」をキーワードに、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する勢力の結束を図る取り組みを展開する。

 同じ枠組みで勝利した今年1月の名護市長選では政党色を抑えるため、合同選対方式は見送り、各党は選挙運動のバックアップに徹した。だが、今回は各党の県議や幹部が島袋氏の支持母体に入って連携を深め、告示後も合同選対方式で臨む方針だ。

 過去の革新系候補が政党と個別に政策協定を結ぶ手法も変更した。「ガチガチに政策を細かく固めないほうが保守層などを取り込める」(政党幹部)との判断から、より緩やかな「覚書」のみを取り交わしている。

 対する桑江氏側は、自民・公明が推薦し、そうぞう・維新が支持を表明し市政奪還を目指す。相手陣営が普天間問題の争点化を図るが、自公は「あくまで沖縄市のトップを決める選挙」と強調し、経済政策を中心にアピールしている。

 自民は県議団が市内に拠点を構え、党本部も国政選挙並みの支援を決定した。名護、石垣の市長選で効果があったとして石破茂幹事長や小泉進次郎衆院議員など知名度の高い議員の沖縄入りを予定する。

 公明は金城勉県議が活動を実質的に取り仕切る支持母体の事務総長に就任。県外を主張する普天間問題で名護市長選は自主投票としたが、沖縄市では普天間問題は別、との立場だ。

 そうぞう、維新は従来の主要選挙で自公との協力関係はなかった。桑江氏後援会の依頼を受けた対応なため「県政対応は今後も中立だ」とするが、そうぞう、自民の一部には知事選での協力に可能性を見いだす声もある。(銘苅一哲)