熊本県で鳥インフルエンザの感染が確認されたことを受けて県は14日、危機管理対策本部会議を県庁で開いた。山城毅農林水産部長は、防鳥ネットや飼育場出入り口での消毒などを農家に義務づけた「飼養衛生管理基準」の徹底指導と順守状況の再確認、異常を発見した場合の早期通報などで市町村と連携する方針を報告した。一方、県内の養鶏農家からは「防鳥ネットや消毒などの防疫は各養鶏農家でやっているが、とても不安だ」との声が漏れた。

熊本県で鳥インフルエンザの発生が確認されたことを受けて開かれた県の危機管理対策本部会議=14日、県庁

 畜産課の長崎祐二課長が、熊本の事例について、感染の疑いのある農場など2カ所、計約11万羽を殺処分したと説明。感染源に関しては、中国と韓国で今年1~3月に感染が確認されているとした上で、野鳥の感染被害が確認された韓国からの渡り鳥ルートが疑われるとの見方を示した。

 一方、毎年10月から年明け2月が国内でピークとなる渡り鳥のシーズン終了後に感染が起きた点を指摘し「恐らく(国内で)大流行にはならないと思う」と報告した。

 山城部長は、感染の拡大防止について「(ウイルスが)広がる前に押さえ込むことが大事だ」と重ねて強調。熊本県の迅速な初動防疫態勢を挙げ「そこで封じ込められている」との考えを示した。

 県は2011年度の補助事業で防鳥ネットを全養鶏場に整備している。山城部長は対策を強調する一方「念には念で対応にあたる」とし、引き続き防疫に全力を挙げると説明した。

 ほかに、保健医療部は食鳥処理場に関わる食肉衛生検査所職員に問題への対応を指示。空港や港湾など水際対策を担う企画部や土木建築部は、空港での注意喚起や消毒マット設置の準備など防疫に努めている。

 南城市で採卵鶏約10万羽を飼養する宮城哲治さん(56)は「熊本での発生は人ごとではなく緊張している。防疫対策を取っても、100%防ぐのは難しい部分がある。(ウイルスが)入ってきたら諦めるしかない」と話した。

 県畜産課によると、県内で鳥インフルエンザの感染は過去に例がない。今回見つかったウイルスは遺伝子検査の結果「H5亜型」で人への感染は確認されていない。