三重県を中心に農業と農産物加工、レストランなどを展開する農業生産法人「伊賀の里モクモク手づくりファーム」は、イスラム教の戒律に沿って調理した「ハラル食品」の加工工場をうるま市の国際物流特区に設立する。5月に現地法人を立ち上げ、来年1~2月に工場を稼働させる。まずは国内の観光施設にハラル食品を出荷。増加するイスラム教徒(ムスリム)の観光客を取り込みながら、イスラム諸国への輸出にまで広げる方針だ。(照屋剛志)

食のかけはしカンパニーの事業構想

 現地法人の名称は、食のかけはしカンパニー。同生産法人の関連会社のモクモク流農村産業研究所(三重県)の篠原辰明国内事業部長が社長に就任する。

 うるま市に3千平方メートルの敷地を取得し、うち千平方メートルに工場を建設する。稼働から5年以内に年間売上高4億円を目指す。

 当初は20人の雇用を予定しており、本格稼働後には40~50人体制にまで拡大する予定。

 当初の資本金は7500万円。同生産法人や国内の生産法人、総菜加工業者など22社が出資し、原料調達などで協力する。

 今帰仁村の農業生産法人あいあいファームも出資を予定しており、県産農産物を提供する。

 アジアの経済成長とともに日本を訪れるムスリム観光客も増加。2013年は、マレーシアから3割増の1万3千人、インドネシアも3割増の1万7千人と急伸している。

 一方、豚肉やアルコールに触れたことのある食器や調理器具は使えないなどハラルの対応は手間や費用がかかるため、観光施設などでは普及が追いついておらず、受け入れ態勢が課題となっていた。

 同社は、国内の食材をうるま市の工場で、和食総菜に加工。冷蔵パックで国内の観光施設や飲食店などに提供する。お菓子も製造し、土産物需要の取り込みも狙う。

 ムスリム観光客向けの提供で、ノウハウを積みながら、ANA貨物ハブなどを活用し、インドネシアやマレーシアなどのイスラム諸国への輸出も目指す。