米軍普天間飛行場返還問題で、675人が仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、那覇地裁(鈴木博裁判長)であった。承認の効力の中断を求めた執行停止の申し立ても、同時に審理された。県側はいずれも却下を求めた。次回は、7月2日。

 住民側は、埋め立て承認が公有水面埋立法の定める要件を満たさず違法だと主張。環境保全への配慮の欠如、国や県の自然環境保全に関する指針への違反、国土の適正で合理的な利用ではなく埋め立てに必要性がないことなどを指摘した。工事の手続きを止めるよう求める執行停止については、破壊された自然は回復不可能として「埋め立てに伴う損害を止められるのは今しかない」と、重大な損害を避けるため緊急の必要があると訴えた。

 弁論では原告が意見を述べ、安次富浩原告団長は「ジュゴンが泳ぐ大浦湾を人殺しが目的の基地に変貌させてはならない」。名護市安部のエコツアーガイド、坂井満さん(40)は「生態系を壊し基地を拡大するのは豊かな暮らしにつながらない。価値観や社会は変化していくもので、環境について弱いといわれる日本の裁判も変わってほしい」と求めた。

 県側は、知事の承認は取り消し訴訟の対象となる行政処分ではなく、原告らには承認取り消しを求める訴訟をする資格(原告適格)がないとして、訴えが適法ではないと反論した。

 住民側の三宅俊司弁護士は、県が、国が知事の承認なしに埋め立てた場合でも、国は知事から是正を受けることはないなどと主張していることについて、「県の立場そのものを否定し、地方自治権を放棄するもの。県として陳述を維持するのか」と確認。県側の代理人弁護士は「答弁書のとおり」と回答した。

「承認は適法」知事コメント

 仲井真弘多知事は16日、「関係法令にのっとり慎重に審査を行った結果、基準に適合と判断し承認した。今後も承認が適法である旨主張していく」とコメントを発表した。