人口減と少子高齢化が確実に進んでいることを、あらためて示す数字が公表された。

 総務省が発表した人口推計によると、2013年10月1日時点の外国人を含む総人口は1億2729万8千人で前年に比べ21万7千人減少した。沖縄県人口の15%に相当する人数が、1年間で総人口から消えたことになる。3年連続の減少だ。

 気になるのは、労働力の中核となる15~64歳の「生産年齢人口」の減少が、人口全体の縮小に先行して進んでいることだ。今回発表された人口推計では、32年ぶりに8千万人を割り込んだ。第1次ベビーブームに生まれた団塊世代が続々と65歳を超えたためだ。65歳以上の高齢者の割合は4人に1人へと増えた。

 生産年齢人口の減少は、労働力不足に直結し、経済活動の停滞を招きかねない。

 さらに高齢化の進展で年金や医療などの給付が増える。財務省の試算では、2012年は高齢者1人を支える現役世代は2・4人だったのが、50年には1・2人となるという。このままでは現役世代の負担は増すばかりで、社会保障制度そのものが立ち行かなくなる。

 人口構造の変化は、社会全体に影響を及ぼす。経済活動を維持するには労働力確保対策が必要だ。女性や高齢者の就業を促す社会体制づくり、具体的には保育や介護サービスの充実、長時間労働の見直しなどが早急に求められている。出産・子育てと仕事の両立支援は、長い目でみれば少子化対策にもつながるはずだ。

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 沖縄は、人口増加率が0・44%と最大の東京に次いだ。東京集中が加速し、39道府県で人口が減少している状況からみれば、沖縄は地域の活力を維持しやすい環境にある。

 ただ、県は25年ごろの144万人をピークに人口が減少に転じるとみており、全国的な人口縮小社会の波は沖縄へも押し寄せる。

 さらに離島県・沖縄の中での二極化も深刻だ。復帰を控えた1970年と2013年の人口を比較したところ、沖縄本島で58%増加した半面、本島を除く離島全体では3・5%減少、宮古と石垣以外の「小規模離島」に限ると減少幅は34%に拡大している。

 県は3月、独自の人口増加計画を策定した。人口減少要因を分析し、地域ごとに人口バランスのとれた社会を目指し事業を進めるという。いったん人口減に転じると回復は容易ではない、とする県の考え方はもっともだ。積極的に施策を進めてほしい。

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 一方、大事なのは人口減対策そのものではなく、住民が安心して暮らせる仕組みづくりだということも指摘しておきたい。

 社会の多様な価値観を認めた上で、結婚や出産・子育ての壁となっている失業率や低賃金の改善、待機児童などの問題の解消を急いでほしい。

 地域の活力には、人と人のつながりが社会にとっての重要な資産だという概念「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」にも目を向けたい。

 そのためにも目指すべき社会の姿について議論を深める必要がある。