小中学校の教科書を単独で採択している全国14町村のうち、事前の調査研究を近隣の自治体と共同で実施しているのは12町村に上ることが17日、沖縄タイムスの調べで分かった。八重山地区の教科書問題で文部科学省は、竹富町の採択地区離脱について「十分な教科書の調査研究ができない」と難色を示しているが、小規模自治体の多くが共同研究によって教員の少なさを補い、効率的な教科書選びをしている。(鈴木実)

1町村1採択地区の現状

 教科書無償措置法改正前は「市・郡」が採択地区の最小単位。14町村は、郡の中に一つの町か村しかないケースに該当する。単独の採択地区への変更を希望している竹富町よりも教員数の少ない自治体が半数以上を占める(小学校で8町村、中学校で10町村)。

 このうち教科書調査も単独でしているのは、東京都小笠原村、大阪府島本町の2町村だけ。残りの12町村は、近くの自治体と共同で教科書の読み込みや資料作りをした上で、採択は個別に行っている。近隣の2市1町と共同研究している広島県世羅町は「資料作成など教員の負担軽減や研究の質確保につながる」と話す。大阪府の忠岡町も「近隣2市と研究することで多面的な見方ができる」とメリットとして挙げる。

 八重山採択地区からの離脱を希望している竹富町に対し、文科省は「単独での教科書研究の難しさ」を根拠の一つに挙げて難色を示している。琉球大学の佐久間正夫教授(教育行政学)は「現場の環境次第で単独調査も可能」とした上で、「共同調査では多くの教員が意見を交わすことでより適切な教科書を選べる。教員の負担も減らすことができ、離脱後の選択肢の一つになる」と指摘している。