【平安名純代・米国特約記者】在日米海兵隊トップ、ウィスラー司令官の「尖閣奪還」発言が波紋を広げている。英国メディアは発言に対する中国側の反応をメディアの報道を引用する形で、批判が高まっている様子を報道。米メディアは、国防費削減をめぐり、アジア太平洋地域の役割を奪い合う海兵隊と陸軍の対立を伝えている。

 英BBCニュース(電子版)は14日、中国メディアの報道を引用する形で、「司令官の見解は、中国が釣魚島を占領するために派兵するとの『想像上の条件』に基づいている。しかし(そうした前提は)存在しないものであり、発言は賢明ではなく、日本への支援も無意味だ」(朱成虎・中国国防大学教授)と同司令官の発言を疑問視する見方を紹介した。

 また、軍事科学院中米防衛関係研究センターの「米国は、中国と日本の間で長期にわたり緊張を引き起こしている尖閣という島をめぐる紛争を利用し、オフショア・バランシングという危険なゲームをしている」との見方をそれぞれ伝えた。

 一方で、米国内における注目度は低い。米紙ワシントン・タイムズは15日、国防費削減に悩む陸軍がアジア太平洋での役割拡大を狙い、海軍の艦船に陸軍が保有する攻撃ヘリを載せて出撃する新たな構想を描いているとし、これに対しウィスラー司令官が「失敗した場合の損失は、莫大な額になる可能性がある」と警告したなどと報じた。

 ウィスラー氏は11日、「尖閣諸島を占拠されても、奪還するよう命じられれば遂行できる」と述べ、強襲上陸作戦を行わなくても、十分な奪還能力を発揮できるとの考えを示していた。