2012年12月から続いている国会議員の歳費(給与)を2割削減する特例措置が、4月末に期限切れを迎えることが濃厚となっている。

 与野党間の意見集約が難航しているからだ。

 一部野党からは3割削減する法案を共同提出する考えが出ているが、与野党とも総じて及び腰だ。今月18日の衆院議院運営委員会理事会では結論は出ず、時間切れとなる公算が大きくなっている。

 そもそもなぜ、議員歳費の2割削減が始まったのか。東日本大震災の復興財源の確保と、消費税増税で国民に痛みを強いることに対し、国会議員も「身を切る改革」として大幅な定数削減を実現する狙いがあったはずだ。

 復興財源について納税者の国民は、復興特別所得税が25年間、税額に2・1%上乗せされる。10年間の住民税の臨時増税も始まる。

 民主党政権下で衆院を解散した12年末、自公民は「定数削減」することで合意した。最高裁が「1票の格差」訴訟で「違憲状態」の判決を下したことを受け、衆院議長の下に、有識者による第三者機関を設置し、選挙制度改革を進めることを大筋合意したが、改革は一向に進んでいない。

 削減を続けることに対する動きがにぶいのは、本音では議員歳費を元に戻したいからだ。議員歳費の年額は、2回の期末手当を含め現在、約1685万円。削減がなくなると約2106万円となる。

 与党の石破茂自民党幹事長は「借金して事務所の運営費に回している議員も多い」と厳しい台所事情を説明し、削減の延長に否定的だ。

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 議員歳費の2割削減は暫定的な措置である。だが、やめるには大前提があるのを忘れてはならない。

 大幅な定数削減である。定数削減の論議は進展していないのに削減をやめるのは増税だけを先行させる約束違反だ。2割削減は続行しなければならないはずである。

 国民に経済的負担を強いる5%から8%への消費税率引き上げが4月から実施されたタイミングで、議員歳費は月末に2割カットが終了することになれば、国民に選ばれ、国民のことを第一に考えなければならない政治家としては失格というほかない。

 安倍政権は来年秋に消費税を10%に引き上げるスケジュールを描いている。国会議員が身を切る覚悟をみせるはずの歳費削減が不作為によって終了するのであれば、国民の理解はとても得られないに違いない。

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 国民生活を二の次にし、自らは負担を逃れようとするのは、国会議員としてあまりに姑息(こそく)で、情けない姿である。

 率先垂範という言葉がある。本来であれば、自ら進んで負担を抱え、被災地を鼓舞しなければならないのに、その精神が著しく欠けているのではないだろうか。

 国民との約束を、保身のためにいとも簡単に破るようでは、政治家の言葉が信を失うのは当然である。4月末までは何日も残っていない。与野党が時間切れを待っているようならば、国民を代表する国会議員の名に値しない。