2013年度の県入域観光客数が過去最高の658万300人となった。県経済をけん引するリーディング産業の増勢は心強いが、手放しで喜んではいられない。

 県は7年後の21年度に観光客数を1千万人(うち外国客200万人)、12年度3996億円だった観光収入を1兆円にする目標を掲げている。

 急速に増えている外国客も視野に入れたハード、ソフト両面の受け入れ態勢の整備や、長期滞在型観光へのシフトなど課題は山積している。外国客の対応は、スムーズな移動への配慮や入管手続きのタイムロスの解消、多言語対応可能な人材の確保など待ったなしである。

 県によると13年度の実績は国内客が7・4%増の595万3100人。外国客が64%増の62万7200人で、いずれも過去最高となった。総数では前年比11・1%、65万5600人増となり、これまでの最高だった08年度の593万4300人を上回った。

 円安に伴い、国内客が割高感のある海外から国内旅行にシフトしたことや、外国客には割安感のある訪日旅行の需要が拡大した。このほか、国内ではLCC(格安航空会社)の就航による誘客効果、新石垣空港開港に伴う路線拡充などが、追い風となったとみられる。

 県は、単年度ごとに数値目標を盛り込んだ「ビジットおきなわ計画」を策定している。13年度目標の630万人を28万人上回るなど、観光の「量」は、とりあえず達成したといえよう。しかし「質」の課題は残されている。

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 その指標となるのが観光客1人当たりの県内消費額と平均滞在日数だ。それぞれの数値が上がれば観光収入の増加につながり、観光関連産業の持続的発展を支えることになるからだ。

 ところが、近年その伸び悩みが続いている。1人当たりの消費額は、12年度が前年より968円減の6万7459円。平均滞在日数は、前年度より0・08日減の3・75日だった。「ビジットおきなわ計画」の13年度の数値目標は、1人当たり消費額が7万5000円、平均滞在日数は3・95日である。

 「量」に加え「質」の充実をどう図るか。今後、消費税増税の影響で国内客の節約志向が強まることが懸念されるが、全体の9割を占める国内客の動向が鍵となるだろう。県内消費額を引き上げる魅力ある商品やサービスをどう生み出すか、官民一体となった取り組みが必要だ。

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 県は14年度の目標を670万~680万人に掲げている。慶良間諸島の国立公園指定やリゾートウエディングの伸びなど貢献要素は多い。さらに那覇空港の新国際線ターミナル整備やクルーズ船の寄港回数の増加が予定されていることなどから外国客の増加傾向も続くとみられる。

 県は12年度から10年間の観光振興基本計画に、目指す将来像として「世界水準の観光リゾート地」を掲げている。県経済の基幹となる観光は平和産業である。それにふさわしい振興のあり方をおろそかにしてはいけない。