【平安名純代・米国特約記者】米退役軍人省が、1970年代後半に在韓米軍基地で有毒物質を扱う任務で健康を害したと主張する元米陸軍兵の訴えを認めていたことが分かった。米紙インターナショナル・ビジネス・タイムズが9日に報じた。同紙によると、戦地以外の基地での有害物質と健康被害との関連性が認定されるのは今回が初めて。

 被害が認定されたのは、アリゾナ州在住のスティーブ・ハウスさん(56)。78年に在韓米軍基地キャンプ・キャロルで枯れ葉剤が入ったドラム缶約250本を上官の命令で埋却し、糖尿病や肝臓肥大、皮膚疾患などの健康被害を受けたなどと主張し、2011年に同省を提訴。同省は、枯れ葉剤との関連性は認められないとし、ハウスさんの訴えをいったんは棄却した。

 しかし、同基地が枯れ葉剤以外のポリ塩化ビフェニール(PCB)やトリクロロエチレン(TCE)などの有害な化学物質で汚染されていたとし、ことし3月25日、枯れ葉剤以外の有害物質と疾病との関連性を認定する判決を下した。

 米国ベトナム戦争退役軍人会(VAA)のディレクター、リック・ワイドマン氏は同紙に対し、「退役軍人省は、枯れ葉剤が埋められた証拠はないと否定しているが、戦地以外での有害物質と健康被害の関連性が初めて認められた」と述べ、「前例のない歴史的判決で分岐点となるだろう」と評価した。

 一方で、米国防総省は同紙の取材に対して、ハウスさんの主張が認められたのは、枯れ葉剤以外の有害物質と疾病の関連性を裏付ける複数の証拠物件が提出されたためなどと指摘し、今回の判決が他の事例に影響しないと回答したことなども伝えている。