【南城】わたいるめー、なーちゅけーん、にじりひじゃい(渡る前、もう一度、右左)-。与那原署久手堅駐在所の小渡錫幸(ようこう)巡査部長(53)が、交通安全の標語をうちなーぐちに訳し、お年寄り向けに講話を続けている。慣れ親しんだ言葉で理解もしやすいと評判も上々だ。(又吉健次)

うちなーぐちで交通安全を伝える久手堅駐在所の小渡錫幸巡査部長=20日、南城市知念社会福祉センター

 小渡さんは久手堅駐在所に赴任して3年目。1年目から家族ぐるみで地域と交流しようと、仕事の中でも得意なうちなーぐちを使った講話を始めた。

 駐在所が担当する旧知念村の11集落を妻の勝美さん(53)と月1カ所のペースで回っている。

 小渡さんは糸満市大里出身。幼いころから家族や同級生とうちなーぐちで会話していた。1981年の県警採用後も事件、事故の捜査で、うちなーぐちが役立った経験もある。

 荒れた現場では、いかつい人を相手にうちなーぐちで制止すると迫力が増し、その場をうまくコントロール。うちなーぐちを使うことで相手との波長が合い、説得できたケースや、標準語の会話の中にも「なまり」を感じ取り、出身地域を絞り込むのに役立ったこともあるという。

 20日は、市知念文化協会の依頼を受けて市知念社会福祉センターで約70人のお年寄りを前に講話。「はっさみよー、うぬいっとぅちゃや、わしりんな」(ハッとする、その一瞬を、忘れるな)など、小渡さんがうちなーぐちに訳した六つの標語を使って、分かりやすく面白く伝えた。

 標語以外の話も流ちょうなうちなーぐちで解説するなど、お年寄りからは、日ごろ慣れ親しんだ言葉だけに分かりやすい、と喜ばれた。

 小渡さんは後輩の若い警察官に「うちなーぐちを覚えたら、仕事でもいいことがあるよ」と促している。