米国のオバマ大統領が23日、来日した。きょう24日、安倍晋三首相と会談する。

 2010年11月以来、3度目の来日となるが、オバマ政権と安倍政権の関係はしっくりいっていない。その理由の大半は、靖国参拝や歴史問題をめぐる国会答弁などによって、安倍首相やその周辺がつくり出したものだ。

 現在の日米関係は、お互い、相手の腹の内が読めない「すれ違い夫婦」に似ている。

 尖閣問題で米国を引き込み日米で共同対処したい日本側と、日中の領有権争いに巻き込まれることを懸念する米国。尖閣をめぐる両者の利害は一致していない。

 尖閣投入を前提にしたオスプレイ配備肯定論や、海兵隊の抑止力を過度に強調する議論は、そうあってほしい、という日本側の期待を語ったもので、いずれも説得力に欠ける。

 2月11日にケネディ大使が初めて来県したとき、私たちは社説でこう呼び掛けた。

 稲嶺進名護市長に会って地元の声に耳を傾け、「多くの県民の思いをぜひオバマ大統領に伝えてほしい」と。

 それは次の二つの意味を含んでいる。第1に、辺野古移設計画を見直して日米の不安定要因を取り除き、日米が一緒になって中国を対話の場に引き込み関係改善を推し進めること。第2に、沖縄の過重負担を前提にして同盟関係を維持するという「いびつで不公平な安全保障構造」に終止符を打つこと、である。

 この二つの課題に真剣に取り組むことが日米の焦眉の課題である。

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 オバマ大統領とケネディ大使に関係する人脈を、過去にさかのぼってひもといてみよう。今につながる歴史的な課題が浮かび上がるはずだ。

 ケネディ大使の父親のケネディ元大統領は1962年、沖縄に対する新政策を発表し、沖縄の施政権をいずれ日本に返還する考えのあることを米国の大統領として初めて明言した。

 ケネディ元大統領によって駐日米大使に指名されたライシャワー氏は退任後、「沖縄の問題は日米関係のすべてに影響を与える最重要課題」だと国務長官に進言し、返還交渉への着手を促した。これによって「沖縄は日米ののどに刺さったトゲ」であるという認識が米政府の間に急速に広がったのである。

 クリントン元大統領は、2000年7月、糸満市の「平和の礎」で演説し、「私たちは沖縄における私たちの足跡を減らすために、引き続きできるだけの努力を致します」と約束した。

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 しかし、いつの間にか、「代替施設建設による普天間返還」が、「辺野古移設による普天間返還」に変わってしまった。

 辺野古移設は、将来にわたって沖縄に過重な基地負担を負わせることを前提にした計画である。著しく公平・公正さに欠ける。

 普天間問題は「日米ののどに刺さったトゲ」である。日米両政府は一体、いつまで沖縄をこのような「いびつな安全保障構造」の下に置くつもりなのか。