県産黒糖の今期(2013年産)の取引価格が1キロあたり10~24円高騰している。原料となるサトウキビの生産量が前年比約5%減少したことに伴い、黒糖の生産量が市場の需要を満たすとされる供給ライン(7千トン)を下回ったためだ。県産黒糖を取り扱う卸問屋では取引先への供給が課題となり、菓子メーカーなども調達に奔走。黒糖の入手が困難な状況が、価格上昇に一層拍車をかけている。(粟国祥輔)

 県黒砂糖工業会によると、今期のキビの生産見通し(3月1日時点)は5万1382トン。干ばつの影響で前期の5万4224トンを下回ったほか、黒糖の生産量も前期の7627トンから8・5%減の6986トンまで減る見込み。

 黒糖の取引は主に入札や黒糖焼酎メーカー分が3割。商社が個別に交渉する相対分の7割が菓子メーカーに流通する。毎年、入札分などの3割は確保しなくてはならないため、全体量が減れば菓子メーカーに流通する分に影響を与える。

 黒糖の減産を受け、相対価格は工場を運営する4社のうち2社が10円アップ。入札でも、相対取引で必要量を確保できなかった商社が、前年比24円増の1キロあたり200円台後半の高値で落札した。

 業界は昨年、低水準で推移していた相場を適正価格に戻すため、相対価格を一斉に10円引き上げたばかり。2年連続の値上げに、商品価格を引き上げる菓子メーカーも出てきている。

 昨年1月から日本農林規格(JAS)法で黒糖の原産地表示が厳格化され、特に「沖縄産」を外せない菓子メーカーへの影響は大きい。老舗の「新垣ちんすこう本舗」(那覇市)の担当者は「県産以外を使うわけにはいかない。今年は高騰もあるが、量の確保が大変」とため息をつく。

 琉球黒糖(糸満市)の担当者は「商社からの入荷価格が1キロ当たり15円上がった。昨年は価格を据え置いたが、今年は値上げせざるを得なかった」と話した。