「有名店のサーターアンダギーを買ってあげたら、おいしいと喜んでいたさあ」と、中国人観光客を乗せたタクシーの運転手さんがうれしそうに教えてくれた

▼モノレールや国際通りなどで台湾人らしき家族連れを見掛けるのも日常だ。その実感を裏付けるように、県がまとめた2013年度の外国人観光客数は前年度比64%増の62万7200人と過去最高になった

▼円安の影響で訪日客が増加したことや就航路線の拡充・再開、クルーズ船の寄港が重なったとはいえ、大幅な伸びは「外国人観光客の本格受け入れ元年」を思わせる

▼節目は、ビザ発給の要件緩和を背景にASEAN諸国のイスラム教徒(ムスリム)を取り込もうとする急な動きにも感じる。土産菓子がムスリムの戒律に沿って料理したハラル認定を受け、これから加工食品の工場が設立される

▼しかし、豚肉やアルコールがだめで礼拝堂の確保が必要なムスリムへの理解や知識を、県民が蓄えるのはこれからだ。今や、沖縄と長い交流の歴史がある中国の印象も最悪だ

▼件の運転手さんも「中国は怖いよ。いつか攻めてくるはず」と国のイメージは決してよくない。同時に喜ばれたもてなしを誇りに語る姿にも、うそはない。観光の醍醐味(だいごみ)は、国を超えた人と人のつながり。平和産業の一翼を創るのはわたしたち一人一人。(与那嶺一枝)