「来る前は青い空、青い海のイメージだったが、建物に遮られて海は見えず、頻繁に聞こえるのは戦闘機のごう音だった」。那覇市内であったボリビアフェスタを訪れた県系2世の山城興太さん(26)の言葉(21日付朝刊)に胸を突かれた。山城さんは宜野湾市に住む。どういう沖縄を夢見ていたのだろうか

 ▼ネーネーズの代表曲「黄金の花」は外国や沖縄からの出稼ぎ労働者をモチーフにしている-と、同僚の取材で知った。「襟裳岬」などで知られる岡本おさみさんが作詞した

 ▼詩を作るため岡本さんは沖縄出身者や外国人労働者に何度も話を聞いたという。東京で働く沖縄出身者らの気持ちを歌詞にした

 ▼「寿司(すし)や納豆食べてますか」という印象的なフレーズは肉体労働に従事したフィリピン人のエピソードから生まれた。親方に「体力がつく」と勧められた納豆をどうしても食べられなかった。納豆は異国で働くことのつらさを象徴している

 ▼故・筑紫哲也さんのニュース23(TBS系列)のエンディングテーマに起用され、全国に知られた。「黄金で心を捨てないで/黄金の花はいつか散る」。歌は多くの人の心をとらえ離さない

 ▼戦後、沖縄はめざましい発展を遂げた。その半面、失ってしまったものも多いだろう。素朴で純情な人たちに誇れる沖縄になっているだろうか。(与那原良彦)