中城村の3小学校で「ごさまる科」とネーミングされた琉球史の授業が始まる。地元の英雄を中心に地域の歴史や文化を学ぶユニークな取り組みだ

 ▼教材として学年ごとに副読本を作成する。1年生用の創作絵本は、中城城跡を見学していた子どもたちが、突然過去へとタイムスリップし、護佐丸から城について教わる物語である

 ▼6年生の歴史副読本では、グスク時代から第一尚氏時代まで護佐丸が生きた前後の時代を幅広く学ぶ。高学年用には、しまくとぅばを取り入れた創作劇「中城と護佐丸」の脚本も用意する

 ▼世界史や日本史に登場する偉人はたくさんいるが、先人が築いた歴史の上に自分が生きていると実感することは少ない。「ごさまる科」は、中城城という目の前の遺産を活用し、自らに引き寄せて学ぶことで、歴史と現在を結ぼうとしている

 ▼沖縄学の父、伊波普猷は〈深く掘れ、己の胸中の泉、余所(よそ)たよて水や汲まぬごとに(自らの足元を深く掘り下げなさい、そこには汲んでも絶えることのない泉が湧いている)〉と琉歌に詠んだ

 ▼沖縄の歴史は、教科書の中でわずかしか触れられていない。だからこそ独自の歴史を持つ地域について学び、考え、未来へとつないでいくことは大切だ。生きていく上で必要なバックボーンを育てる、そういう授業にしてほしい。(森田美奈子)