桑江陣営は自民党本部の全面支援で「国政選挙並み」の態勢を築き、組織票を着実に固めたことが勝利につながった。劣勢が伝えられていた序盤の運動の弱さも自民党県連が中心となって中盤から巻き返して運動を再構築。総決起大会や知名度の高い中央の政治家の街頭演説で聴衆を集めて勢いを演出し、様子見していた企業を終盤になって一気に取り込んだ。(沖縄市長選取材班・仲田佳史、仲間勇哉)

[桑江氏]自民本部支援で勢い

 秋の県知事選をにらんだ政府、自民党は中部の大票田の沖縄市は「絶対落とせない」重要選挙区に位置付け、業界団体の支持を基盤とする参院の比例選出議員を続々と投入。医師や看護、介護といった団体の組織票の取りまとめに注力した。

 両陣営で最後まで票固めが続いた建設関連票をめぐっては、石破茂幹事長が3度来県し企業訪問を徹底したほか、公明党前党首の太田昭宏国土交通相や仲井真弘多知事が主要建設企業代表と昼食を共にし、引き締めた。

 動きの鈍かった企業を取り込むため、17日の総決起大会では市外からも動員し会場にあふれるほど人を集めて陣営の勢いを演出。大会後、「勝ち馬」に乗る企業が続々と支持に回った。

 公明党も総決起大会以降、首長選挙では異例の「全県体制」を敷いて、名護市や那覇市などの市外約10カ所で集会を開催。「党公認候補以外でこれほどの運動を展開したのは初めて」(公明党幹部)とする組織運動を展開し、創価学会票を固めた。

[島袋氏]「革新不況」が響く

 島袋陣営は、桑江陣営の「革新不況」の主張が響き、支持を広げられなかった。14・5%の高い失業率や待機児童が解消できない原因は「革新市政にある」との批判に対し、「保守、革新市政とは関係ない」と反論したが、相手候補の主張の強さに押し切られる格好となった。

 辺野古移設の是非の争点化を目指したが、桑江氏が「移設は沖縄市と関係ない」とノーコメントを貫いたことで、広がりを欠いたのも影響した。

 陣営は、桑江氏の応援で駆け付けた自公の大物政治家が桑江氏の政策を「全力で応援する」と財源の裏付けを保証したのを問題視。基地受け入れの見返りに金で懐柔する政府の姿勢が現れていると批判したが、浸透しなかった。

 出身地の本部郷友会や保守系市議の一部、保守系も含めた歴代の市長、助役の多くが支持に回ったことで、保守支持層や建設関連を中心とした企業票の獲得を目指したが、一部にとどまった。