身体や認知機能の低下など、運転に不安のある70歳以上の高齢者の免許証返納数が2011年の165人から、12年には1138人、13年は1024人と6~7倍に増加。県全体の返納者の約8割を占めている。11年に始まった高齢者の自主返納者を対象とした公共交通機関や娯楽施設などの割引サービスが効果を上げているとみられ、高齢者の交通事故が増加傾向にある中、県警は「(サービス提供が)事故抑止の一助になれば」と、割引の適用範囲拡大にも前向きだ。(城間陽介)

 県警と公共交通機関が結ぶ「運転免許証自主返納優遇措置支援事業」の一環で、65歳以上の免許保持者が自主返納した際、身分証明書として使える運転経歴証明書が発行される。公共交通機関などの乗車時に提示すると、バスやモノレール運賃で50%、タクシー料金で10%の割引が受けられる。同サービスの浸透で、返納者は千件近く増えた。

 背景には、年々増える高齢者の事故がある。交通企画課によると、車を運転する65歳以上高齢者の事故は02年に418件だったが、12年には825件と10年間で約2倍に増加した。

 事故を心配する家族から年齢的な理由で説得され、免許証を返したという豊見城市の男性(86)は、今はどこに行くにもタクシーを使う。本島中部まで遠出することもあり、「(割引サービスは)大変ありがたい」と歓迎。デイ・サービス仲間に話をしたら早速返しに行く人もいるという。

 免許課によると、県全体の免許返納者数のうち、約8割が70歳以上。返納理由として加齢による身体・認知機能の低下を挙げる。同課は、免許証が失効していると運転経歴証明書の発行ができないとしている。

 同事業では、一部の温泉施設などでも割引を受けられる。交通企画課の與儀淳管理官は「高齢者がよく利用する施設とそこまで行く手段を考えた。増加する高齢者交通事故の抑止につながれば」とし、今後も割引の適用範囲を広げていきたいとした。