沖縄銀行(玉城義昭頭取)は28日、個人が所有していた大栄空輸(那覇市、嘉手苅康治社長)の株式の一部を県内企業13社に譲渡する際の支援を実施したと発表した。同社の株式はこれまで経営に携わった個人らが所有していたが、今は経営にかかわっておらず、第三者に株式が渡るなどのリスクがあったという。株主が公共性のある県内企業となり、同社の経営の安定性が増すことになる。

 株式譲渡は3月20日付。全株式の9割を県内企業13社が保有し、残り1割は同社の経営陣が持つ。売買価格は公表されていないが、数億円に上るとみられる。社名の変更はなく、従業員の雇用も継続される。現経営陣も続投する。

 同社は国際航空貨物事業の拠点となっている那覇空港貨物ターミナルビルを運営しており、沖銀は「今後の県経済のけん引役として、重要な役割が期待される」として支援した。沖銀は、同社と譲渡先企業の橋渡し役として、企業価値の査定などを実施した。

 沖銀によると、県内では後継者に事業を引き継ぐ、事業承継が課題となっている企業が多く、相談件数が増加傾向にあるという。

 帝国データバンク沖縄支店の調査では、8割の企業が後継者が決まらず、「先を見据えた経営戦略を打ち出し切れていない」としている。

 事業承継がスムーズにいかなければ、廃業する企業の増加も予想され、地域経済への影響も懸念されている。

 県内は、金融機関が事業承継の専門部署を立ち上げているほか、那覇商工会議所が県事業引き継ぎ支援センターを開設し、企業の事業継続を支援する体制が整い始めている。

 沖銀の担当者は「株式譲渡先が複数社にまたがり、調整に時間はかかったが、ノウハウを蓄積できた。今後も事業承継に取り組み、県内企業を支援したい」と述べた。