【名護】ことし103歳になる市親川区の金城順子さんは、チラシや古い新聞紙で毎日「ごみ箱」を作るなど元気いっぱいだ。「チカグルヤ ヒャクドゥ チュクインデー ティーヌ ガラスマガイシ(最近は100個しか作れない。手がけいれんするから)」と限度もあるが、1個にかかる時間はわずか1分程度の早業。作った箱はためてミニ・デイサービスの仲間へプレゼントしている。
ごみ箱作りは、チラシはそのまま使うが、古い新聞紙は同居する次男の一也さん(77)が順子さんの希望する大きさに切って用意してくれる。
毎朝6時に起床し、午前中がごみ箱作り。1週間で専用の段ボール箱3箱分、約1000個が仕上がり、ミニ・デイサービスで仲間やスタッフに贈るのが楽しみだ。
順子さんは23歳で5歳上の源昌さんと結婚。芋や稲作で生計を立て5男4女に恵まれた。今や孫17人、ひ孫26人と子孫も広がるが、「もっといるはずよ。大宜味にも石川にもヤマトゥ(本土)にもいるから」と冗談まじりに笑う。
十数年前に1度、市内の老人施設に入ったが、身の回りのことは全て自分でできると自宅から通えるミニデイに切り替えた。同区書記の宮平あゆみさん(44)は親川公民館で始まったミニデイを振り返り「当初は踊りを習おうと希望したことがきっかけで市内第1号のミニデイが始まった。元気な順子さんは常にリーダーです」と紹介する。
順子さんはミニデイがある毎週火曜日の午後が楽しみで特に誕生日会の日は朝からそわそわ。「クヮッチー(ごちそう)があるから全部食べるよ」と明るい。
10人きょうだいの五女に生まれた順子さん。「残っているのは私だけ。みんな逝ってしまった」と時折、寂しくもなるが、「箸を持って食事ができる間は皆の分も長生きしないとね」とミニデイで歌う「あなたと私」を口ずさむ。
「あおぞら うなばら ふるさとのしまに あなたと私の あしたがある」
親川区は人口約370人。宮城靖区長(57)は「親川の宝であり誇りです」と順子さんのさらなる長寿を願う。(玉城学通信員)