28日に那覇空港に着陸しようとした格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの石垣発エアバスA320-200型が、空港の北約7キロで高度約75メートルまで降下、海面に異常接近し、再上昇して着陸をやり直していたことが分かった。国土交通省が29日発表した。乗客乗員計59人は無事で、機体に損傷はなかった。

 航空専門家の話では、降下を続けていれば、あと20秒ほどで海面に衝突する恐れがあった。

 国交省とピーチ社によると、アルゼンチン国籍の男性機長(45)が操縦かんを握り、日本人の女性副操縦士(38)がサポートしていた。高度の下がり過ぎを知らせる「地上接近警報装置」が作動し、緊急に機首を上げる回避操作を取った。機長は「管制官から降下の指示が出たと勘違いした」と説明。当時は雨で視界が悪かったとみられる。

 那覇空港への着陸機は通常、約5キロ手前で高度約300メートルから降下を始めるが、同機は約10キロ手前から降下を開始、車輪を下ろし着陸体勢に入った。高度約100メートルで警報装置が鳴り、回避操作を取ったが、一時約75メートルまで下がった。

 国交省は事故につながりかねないトラブル「重大インシデント」だったと判断。運輸安全委員会は29日、ピーチ社が拠点を置く関西空港に航空事故調査官3人を派遣。日野和男調査官は同日夜「パイロットから当時の状況を聴いた。30日以降、那覇空港の管制官に聞き取り調査をしたい」と話した。

 同機は28日午前11時2分に石垣を離陸し、那覇に到着直前の同47分ごろに警報が作動、回避操作後の午後0時10分に着陸した。

 ピーチ社広報部によると、2012年10月に那覇-関西空港便が県内の初就航。昨年9月には那覇-石垣、那覇-桃園空港(台湾)が増便された。現在は那覇-関西が1日3~4往復、那覇-石垣、那覇-桃園がそれぞれ1日1往復となっている。機内の乗員は機長1人、副操縦士1人、客室乗務員が4人体制。

 今回の重大インシデントの場面では客室乗務員が機内アナウンスで「着陸をし直します」と述べただけで、特に機内に混乱は見られなかったという。

 ピーチ社は「国交省の運輸安全委の調査に全面協力するとともに、再発防止に努めてまいります」とのコメントを発表した。