「うつ」が一般的にも知られるようになりました。「うつ」と言うと、「うつ病」や「うつ状態」を示します。今回、この辺のことに触れてみたいと思います。

 まず「うつ状態」はうつ病でよくみられますが、うつ病以外でもみられることは多く、「うつ状態=うつ病」ではありません。

 これは後で説明するとして、うつ状態の症状から説明します。

 うつ状態の基本的な症状は、気分の落ち込みです。気分の落ち込みとは、抑うつ気分、興味・喜びの喪失です。これがうつ状態の基本的な症状です。

 この気分の落ち込みも、人によってさまざまに表現されます。「落ち込んでいます」と言ったり、「悲しい」「寂しい」と言ったり、あるいは「何をしても面白くない」と言ったりします。「感情がなくなった」と言う人もいます。

 次に重要なうつ状態の症状は、活力・活動性の低下です。これもさまざまな表現をされます。「体がついてこない」「何をやるのもおっくうだ」「何もする気がしない」などです。それ以外にも、うつ状態の症状としてよくみられるのは食欲不振、不眠、マイナス思考、思考力・判断力の低下などがあります。今まで述べた症状などが、強弱組み合わさって、うつ状態が表現されますので、多種多様なうつ状態があると言えます。

 次に、多種多様なうつ状態はうつ病以外でも起きます。「躁うつ病=双極性障害」「適応障害」「認知症」「甲状腺機能低下症」など。薬などでもうつ状態が起きることがあります。特に適応障害はうつ状態をよく起こし、うつ病より多いかもしれません。

 適応障害は、その人の苦手な種類のストレスがしばらく(1~数カ月)続くと心身不調が出現します。その時、よく出現するのがうつ状態です。ストレスが多い状況では、注意が必要です。ただし、ストレスが続いても、徐々に軽快していくことも多く、ストレスが消えれば、症状も消えていくので、そう心配は要りません。

 ただ、うつ状態が続く時には、何かストレスがないか、そのストレスを減らすことはできないかなど、気を付けて、過ごし方などを工夫する必要があります。ストレス自体を減らせなくても、1日の中で、気が休まる時間をつくるのも有効です。もちろん専門の医療機関の受診も有用です。(大田郁也・大田クリニック)