ことし12月に任期満了を迎える仲井真弘多知事(74)の去就に、関心が高まっている。野党陣営の選考委員会が候補予定者を2人に絞り込むなど、選挙戦に向けた準備を本格化させているからだ。迎え撃つ与党・保守陣営では、知事の態度表明の時期が最大の焦点だ。知事は12日、後援会が主催する政治資金パーティーを予定しており「3選出馬に向けた意思表明があるのでは」との観測も挙がる。知事周辺では「表明の時期は県議会6月定例会だろう」との見方がもっぱらだが、現職の判断への注目度が過熱しそうだ。(政経部・吉田央)

仲井真弘多知事

 「今後も緊密に連携していきましょう」

 2日午後、那覇市の公明党県本部事務所。自民党県連の西銘恒三郎会長、照屋守之幹事長ら役員が、公明県本の糸洲朝則代表、金城勉幹事長を訪ねた。

 名目は自民新役員の就任あいさつ。知事選に向けた具体的なやりとりはなかったが、出席者の一人は「言葉にしなくても、知事選を見据えた協力関係の構築に向けたスタートという含意はある」と解説。野党が協議を先行する中、与党もじわりと動き始めた。

 自民県連内で、知事は「埋め立て承認で批判を受けたが、沖縄振興一括交付金の創設、観光客の増加、失業率の改善、待機児童の減少など、行政的な実績は豊富だ」(幹部)として、3選出馬への待望論がある。

 一方、承認批判が県内でなおくすぶっていることへの警戒感もある。特に公明県本内に「勝てる候補を白紙で考える必要がある」との慎重論があり、与党内の方針は定まっていない。

 知事が意思表示する前に候補者の選考に入れば、現職への礼を失する。自民県連は大型連休明けから知事の意向確認の手順や、知事に出馬要請をするかどうか、協議を本格化する。

 知事は例年、政治資金パーティーを2~3月に開いてきたが、今回は任期満了に近づいた5月の開催。支援者には「この時期のパーティーは出馬の布石ではないか」との見方もあるが、後援会関係者は「昨年末の埋め立て承認から年初の名護市長選と多忙が続き、開催時期をずらしたということだ」と冷静に説明する。

 後援会と与党内では「知事はまだ明確な意思表示に踏み切らない」との観測が大勢だが、自民県連内には「仮に不出馬なら早期に表明していただき、後継の人選に取りかかる必要がある」との指摘もあり、現職の言動に気をもむ日々が続きそうだ。