気になる調査結果である。

 内閣府が3月31日に公表した小中高校生を対象にした「2013年度青少年のインターネット利用環境実態調査」だ。スマートフォンなど携帯電話によるインターネットの利用時間に驚かされる。

 1日に2時間以上使っているのは小学生では2・7%にとどまっているが、中学生で27・1%、高校生では45・5%に達する。平均時間は小学生23・3分、中学生76・4分、高校生120・9分だ。

 「ガラケー」と呼ばれる携帯電話より通信が速いスマホが急速に増えたことが背景にある。5時間以上使っている高校生は10・1%。10人に1人だ。日常生活に支障を来すネット依存症を心配する。

 確かにインターネットはもはや必要不可欠だ。時間と空間をなくし瞬時に友達とつながる。ゲームも魅力的で、必要な情報を得るのも簡単だ。

 だが、光があれば陰がある。会員制交流サイトSNSなどでトラブルが引き起こされていることからも分かるように、現実と境界がつかないような「仮想世界」である。

 スマホを少し脇に置き、自然の中に飛び込む身体的な体験も必要ではないだろうか。自然界はスマホからは得られない不思議にあふれている。

 たとえば、今月から12月の満月前後の満潮時に、宮古島市・池間島など県内海岸でオカガニの産卵の様子が観察できる。島の内陸から集団で海岸に移動、波打ち際で「懸命に」体を震わせ幼生を海に放つ。生命の神秘さに心が揺さぶられるに違いない。

    ■    ■

 きょう5日は「こどもの日」。「児童福祉週間」の初日でもある。本年度標語は「そのいっぽ みらいにつづく ゆめのみち」。千葉県の中西愛美さん(7)の作品だ。

 だが標語とは裏腹に、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わり、過去のどの時代よりも、子どもたちに厳しくなっているのかもしれない。

 昨年一年間に虐待があったとして、全国の警察が児童相談所へ通告した18歳未満の子どもは2万1603人に上った。初めて2万人を超え、過去最高だ。県内も47人。子ども受難の時代である。

 貧困も深刻だ。09年時点の子どもの貧困率は15・7%。1人親世帯では、50・8%にまで跳ね上がる。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最悪である。

 親の経済状況が学力や健康状態に影響を与え、虐待との関連を指摘する調査がある。とりわけ懸念されるのは、子どもの自己肯定感や将来の希望までくじかれ、大人になってからも貧困から離れることが困難なことである。

    ■    ■

 子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることがあってはならない。

 1月施行された「子どもの貧困対策推進法」にある。政府は貧困の連鎖を断ち切る支援策の大綱案を作成する。4月17日、有識者らによる検討会の初会合で、森雅子内閣府特命担当相は「子どもが夢と希望を持ち成長できる社会の実現を」と訴えた。一人一人がかけがえのない「宝」である。子どもたちが輝く社会をつくらなければならない。