将来、人口減少社会が到来する可能性があることに「危機感がある」とする県内の自治体が離島を中心に20市町村(48・8%)に上ることが、県地域・離島課の調べで分かった。一方で、人口増につながる県内外からの移住者の受け入れ策を「取り組んでいる」としたのは5市村(12・2%)にとどまり、移住施策に慎重な姿勢であることも明らかになった。

今後の移住施策の取り組みについて

 「危機感はそれほどない」「危機感はない」とした自治体も20市町村(48・8%)あり、人口増で推移する都市部と過疎化が懸念される町村で意識の違いが鮮明になった。

 県は2025年ごろの144万人をピークに県人口が減少に転じると見込んでおり、35年までに150万人を目指して「県人口増加計画」を全国で初めて策定した。同課では県内の現状を把握することで今後、市町村と連携して移住施策を推進していく方針だ。

 人口減に「危機感がとてもある」としたのは渡名喜村、本部町、沖縄市など18市町村で「ある程度の危機感」は石垣市と南風原町の2市町。「危機感はない」としたのが糸満市、中城村、南大東村の3市村。「それほど感じていない」の17市町村には那覇市、浦添市、読谷村など中南部の自治体が多くを占めた。

 移住施策を「積極的に取り組んでいる」としたのは東村だけ。「慎重に取り組んでいる」が沖縄市、大宜味村、粟国村、渡名喜村の4市村。29市町村が「取り組んだことがない」と答えた。

 今後も「取り組む予定がない」が最多の18市町村で、「検討したい」が8市町村、「積極的に取り組む」「慎重に取り組む」は計10市町村だった。取り組まない理由(複数回答)は、住宅がない13件(28・9%)、取り組まなくても移住がある13件(同)、移住者の職場がない9件(20%)と続いた。

 具体的には本部町や北大東村は「財政的に余裕がない」「居住の確保ができない」とし、人口が増加傾向にある那覇市や豊見城市などでは「積極的に対応する必要がない」とした。財政規模や人口の増減傾向で取り組まない要因が割れた。

 県に対する要望では、受け入れ態勢の整備、移住・定住フェアなどの開催、県営団地建設などのインフラ整備-などが挙がった。

東村 住宅整備で成果

 移住施策に積極的に取り組んでいる東村では、住宅の整備を進めたことで移住者受け入れの成果が出始めている。

 村の人口は1975年には2300人いたが、昨年10月現在で1752人まで減少していて、対策が急務となっている。

 村は2010年度から移住者を対象にした定住促進のための住宅を計12戸整備。ことし4月1日現在で全戸が埋まっており、これまでに12世帯35人を受け入れている。県内の他市町村から4世帯、県外から2世帯、村出身者のUターンが6世帯となっている。

 また、子育て支援策として村内に住所のある村民を対象に、出産祝い金や中学生まで医療費を助成するなどの施策を講じている。

 村は今後も移住者の受け入れに積極的に取り組む姿勢で、住居の整備や都市部でのイベント開催を予定している。7月4~6日に那覇市久茂地のタイムスビルで開催される「東村フェア」でも移住者を呼び掛けるブースを設置する予定だ。