【浦添】観光土産を製造・販売する沖縄農園(具志堅栄社長)が、販売から25年になる看板商品「古酒泡盛・酒ケーキ」のパッケージを明るい金色へリニューアルしたものの、1年後のことし3月、元に戻した。同じように明るい黄色に変えたパイナップルカステラの売り上げは伸びたが、酒ケーキは「前のデザインのものはないか」と“指名買い”が相次いだためという。具志堅さんは、看板商品をパッケージごと愛してくれる固定客の存在にあらためて感動している。

旧パッケージを手にする具志堅栄社長(左)と、1年間だけ使った旧パッケージを手にするスタッフの石嶋香諸理さん=16日、浦添市牧港の沖縄農園

 「酒ケーキ」は、同農園の具志堅正秀会長が1989年に売り出した。当時人気のあったブランデーケーキを泡盛で作ろうと県内のさまざまな泡盛を数年かけて試し、3年寝かせた43度の古酒にたどりついた。妻の栄さんは「よく小学生の娘に試食させてましたね」と笑う。

 以来、パッケージは変わらぬ金色。第23回全国菓子博覧会の栄誉大賞や2005年度全国推奨観光土産品審査会の厚生労働大臣賞の受賞歴や、優良県産品マークを書き込んだが、基本的に同じデザインを通してきた。

 その後、パイナップルカステラのパッケージを明るい黄色へ変更すると売り上げが伸びたため、昨年3月、酒ケーキの包装紙も一新した。黄色がかった明るい金色を基調に紅型模様をあしらった。

 ところが、那覇空港などの観光土産店で「前のデザインのものはないの」とリクエストが殺到した。旧パッケージのデザインが持つ発信力に気付き、約1年で元に戻したという。

 なぜ、パイナップルカステラと酒ケーキで違いが出たのか-。栄さんは、酒ケーキのほうがパイナップルカステラに比べて歴史が古く、看板商品として金色のパッケージごと支持されてきたためではと考える。

 「それだけ固定のお客さんが多いっていうことなんでしょうね。ありがたいです」。

 栄さんは、商品に“黄金ルール”が通用しないと実感している。