劣悪な環境で労働者を働かせる「ブラック企業」を対象にした厚生労働省の全国一斉調査で、長時間労働や残業代不払いなどの法令違反を指摘され、是正勧告を受けた県内事業所が21カ所に上ったことが、7日までに分かった。沖縄労働局(谷直樹局長)が昨年9月、過去の労働相談内容や離職率の高さなどの情報をもとに対象を特定し、県内27事業所を抜き打ちで立ち入り調査した。厚労省が過労死の危険性が極めて高い基準として設定している時間外労働月80時間を超えて働いた人がいたのは5事業所、100時間超えも3事業所あった。

 調査した事業所のうち、労使で決めた残業時間の上限を超えて働かせるなどの労働基準法32条違反は、全体の約6割にあたる16事業所。サービス残業など残業代を支払わない同法37条違反は10事業所だった。

 このほか、(1)過重労働をさせているにもかかわらず健康障害の防止対策を具体的に講じていない(2)就業規則がない(3)就業時間前の清掃が業務命令か任意か曖昧-などのケースがあった。複数の法令に違反している事業所もあった。

 違法な働き方をさせている事業所が最も多かったのは製造業で8事業所。次いでホテルや飲食店など接客娯楽業で7事業所、スーパーなど商業で2事業所、教育・研究業で1事業所、その他で3事業所だった。

 ブラック企業に法的定義はなく、一般的に過酷な働き方をさせて労働者を「使い捨て」にする企業を指す。対策に乗り出した厚労省の方針を踏まえ、同局は主に(1)長時間労働(2)賃金不払い(3)パワーハラスメント-が疑われる企業を調査対象に選定。特定した県内27事業所へ実際に出向き、労務管理者や労働者の双方から事情を聴いたほか、帳簿書類なども確認した。

 同局監督課は「違反事項別の違反率では全国平均を上回っている状況。今回は重点月間として取り組んだが、今後も啓発や監督指導に力を入れて取り組んでいきたい」と話した。