【宮古島】国の重要無形文化財「宮古上布」を継承、発展させる宮古島市伝統工芸品センターが市上野野原に完成した。宮古上布の制作工程が見学できるほか、展示・販売スペースを設けるなど市の伝統工芸品を島内外へ発信する拠点施設となる。伝統の技の保存や生産反数の減少など課題もあるが、関係者は新施設の完成を大きな転機ととらえている。

宮古上布の織機などが並び、制作工程を見学できるセンター=宮古島市上野野原

宮古上布など伝統工芸品を内外に発信する拠点施設が完成した

久貝さんら(前列左)後継者育成事業の修了生を激励した組合の関係者ら=市伝統工芸品センター

宮古上布の織機などが並び、制作工程を見学できるセンター=宮古島市上野野原 宮古上布など伝統工芸品を内外に発信する拠点施設が完成した 久貝さんら(前列左)後継者育成事業の修了生を激励した組合の関係者ら=市伝統工芸品センター

 センターは鉄筋コンクリートの1階建てで、駐車場を完備した。敷地面積は約3千平方メートル、建物面積は1200平方メートル。

 一括交付金などを活用し事業費約2億9千万円で整備した。宮古織物事業協同組合が管理、運営する。

 同市平良西里にあった旧施設「宮古伝統工芸品研究センター」は建設から約40年が経過。駐車場の確保や展示、販売などのスペースがなかった。

 工芸品の展示・販売スペースのほか、宮古上布の原料となる芋麻畑から染室、絣織室、織子養成室など宮古上布の一連の制作過程に触れることができる。

 藍染め十字絣が主流の宮古上布の反数は年々減少にある。後継者育成事業はあるが、織子の高齢化、原料の不足などがその背景にあるという。

 1日の落成式に出席した下地敏彦市長は「観光客を含めた誘客施設としての期待も高まる。伝統技術を受け継ぎながら時代のニーズに合った製品作りの指導、育成に努めてほしい」と期待を込めた。

後継者目指して

 【宮古島】宮古織物事業協同組合(理事長・長濱政治副市長)は1日、2013年度の後継者育成事業の閉講式と14年度の開講式を市上野野原の同市伝統工芸品センターで開いた。

 13年度の修了者は3人。新たに後継者として指導を受けるのは2人。

 修了者代表の久貝偉久恵さん(55)=写真前列左=は「1年間で4反織り上げることができた。難度は高かったが、楽しい毎日だった。さらに技術の習得を目指して頑張りたい」と決意した。

 組合の上原則子専務理事は宮古上布の基礎技術を学ぶ新入生に対し、「織りの世界は厳しい。入ったからには織りを仕事にする意気込みで学んでほしい」とエールを送った。

 長濱理事長は「世界に誇れる宮古上布の最高峰を目指して」と激励した。