健康診断と沖縄観光をセットにした「沖縄健診ツアー」が6月24日から2泊3日の日程で開催される。日本航空や大和ハウス工業、オムロンなど大手企業の健保組合員ら約30人が参加。那覇市医師会が運用する医療データ共有システム「生涯健康記録(LHR)」を利用して、過去に別地域で受けた健康診断データを参照しながら同医師会の健診を受けることができる。今後、全国約1400社でつくる健康保険組合連合会(健保連)に参加を呼び掛ける計画で、沖縄におけるヘルスツーリズムのモデルとして反応を探る。(座安あきの)

沖縄健診ツアーのイメージ

 那覇市医師会のLHRシステムを開発した医療情報システム開発のブルーブックス(那覇市、志茂英之社長)が、企業約10社の健保組合でつくるNPO法人健康生きがいづくり教室の代表者らにツアー企画を提案して実現した。

 LHRには、那覇市医師会の検診センターに2000年から蓄積された約37万人分の医療データが登録されており、患者と医師のIDがそろえば登録医療機関(現在40機関)でデータを閲覧できる。健診ツアーでは参加者に事前にIDを発行し、各健保で保存する被保険者のデータを沖縄に転送、登録機関で閲覧できるようになる。6月のツアーでは、観光する前に健診を受けられるよう試験的に那覇空港に検診車を配置。健診結果は帰りの空港カウンターで受け取るほか、希望者は那覇市医師会で医師のカウンセリングを受けることもできる。

 志茂社長は「別地域で受けた健診や診療の連続したデータを見られるのはLHRがある沖縄だけ。透析患者で旅行が制限されている場合でも、事前にLHRに患者情報を載せておけば、旅先の沖縄で診察履歴や投薬記録を確認でき、県内の医療機関で安心して透析を受けることもできるようになる」と話す。今後は健診にとどまらず、医療のサポートが必要な人向けのツアーにも発展させたい考えだ。

 加入者に対する健診の実施が義務づけられている健保組合などは、受診の呼び掛けが行き届きにくい退職者や扶養家族の受診率を高めることに苦慮している。ツアーに賛同した日本航空健保組合の田口創一郎事務局長は「沖縄旅行とセットにすることで、受診のきっかけづくりができれば」と期待。沖縄側で受け入れ態勢が整えば、来年1月にも追加ツアーを検討している。