似顔絵や手作り作品、育てた苗などを子どもたちが、きょうあたり学校や幼稚園・保育園から持ち帰るだろうか、「おかあさん、ありがとう」の言葉と一緒に。11日は母の日。素直な気持ちと一生懸命な絵や文字にほほが緩む方もいるだろう。多忙な子育ての中のほっとする一幕に違いない

 ▼1人で子育てを担う母子世帯を調べた全国調査(2011年)などによると、平均年収は一般世帯のわずか4~6割。経済的には、かなり厳しい

 ▼収入の少なさから、二つ以上の仕事を掛け持ちする母親もいる。健やかな成長を願い必死に働くと、子どもと過ごす大事な時間が少なくなってしまう事態は切ない。疲労がたまれば、子どもに対するゆとりを失い、心身の健康も損ないかねない。やる気や愛情だけでは解決しきれない

 ▼3月には埼玉県でベビーシッターに預けられた幼児が遺体で発見された。制度が充実していれば、身近に頼れる人がいれば、守れただろう命を思うと悔しい

 ▼子育て支援やひとり親世帯支援の必要性が叫ばれて久しいが、まだまだ不十分だ。母親を守ることが、子どもを守ることにも直結する

 ▼自分の母親に感謝を伝えるのと同時に、すべての母親が子育てを楽しめるよう、子どもたちが幸せであるよう願いたい。それが社会の幸福にもつながると思う。(安里真己)