【南風原】26年ぶりの組踊完全復活を目指し、津嘉山区民が「忠臣身替の巻『八重瀬(えーじ)』」の稽古に励んでいる。演目冒頭の一場限定の上演から始まり、実行委員会を結成するなど3年がかりの取り組みだ。10月中旬の本番に向け立ち方、地方もそろってきた。区民らは毎週、公民館で節回しや演技の習得に汗を流している。

組踊「忠臣身替の巻『八重瀬』」の26年ぶり完全復活に向け、練習に励む区民ら=4月28日、津嘉山地区公民館

 組踊「八重瀬」は、八重瀬の按司に滅ぼされた玉村の按司の家臣が、敵を討ち若按司とともに凱旋(がいせん)するまでを描く。津嘉山に伝わった経緯や時期は不明で、1927年と88年に上演された全七場、2時間の演目。

 26年前の舞台で、地方を務めた仲本貞夫さん(75)が復活を区長と相談したことが再演のきっかけ。昨年10月の「村あしび」で、冒頭の6分ほど演じ、好評だった。ことし3月には完全復活を目指して実行委を結成した。

 前回も敵役だった消防職員神里守さん(50)は、「八重瀬の按司」の年齢に近づいた。「今の方が、按司の落ち着き、風格も出せるはず。舞台は、前回並のレベルは維持したい」と意気込む。

 沖縄工業高校3年の大城善公(よしとも)君、新城世名君、南部農林高校2年の金城潤君の3人は、表記と発音が異なるせりふに苦労するといい「本番も楽しく演じたい」と話す。

 演技指導の大城康彦さん(65)は「演出の機微に少しずつ取り組みたい。王朝に伝わる組踊の雰囲気を伝えたい」と意欲。琉球芸能研究所「仁風会」の2人と指導している。

 仲本さんは「あと半年。練習量を増やし気合を入れたい」と話す。今後、一場限定などで演じる回数を増やし、継承することも検討している。