「『税が上がって、年金生活は苦しい』。70代後半のかーちゃんの愚痴がたまらなかった」と友人が話していた。友人は40代半ば。長男だが、高校生を筆頭に子ども3人を育て、ローンを抱える。「少ない給料では家族だけで精いっぱい」という

 ▼4月に消費税が増税され、社会保障の負担は増えた。年金の支給は減らされた。家計が厳しさを増す一方、5月の給与が前月に比べ2割増えた人たちがいる。大企業の社員ではない。国会議員である

 ▼2012年12月から続いた国会議員の歳費(給与)を2割削減する特別措置法が4月末に切れた。4月の歳費は約104万円だが、5月は削減分を戻し、約129万円。年間は約1685万円から約2106万円になる

 ▼議員は歳費だけではなく、月額100万円の文書通信交通滞在費が支給され、公設秘書3人の給与などを含めると議員一人当たり年間で6千万円以上の税金を使う

 ▼特別措置は、消費税導入に国民の理解を得ることと復興財源確保のために始まった。議員定数の削減がまったく進まない中、歳費の削減打ち切りだけを先行させるのが許されるのか

 ▼「母の日、なけなしの小遣いから花でも買うかな」。友人は軽く笑った。そういう庶民のささやかな贈り物にも3%の増税分は上乗せされる。国民の代表は今、何を考えるのか。(与那原良彦)