【平安名純代・米国特約記者】米国防総省が4月上旬、米上下両院の軍事委員会に在沖米海兵隊グアム移転計画がさらに遅れる可能性があると通知していたことが8日までに分かった。実弾射撃訓練場の建設地選びが再び難航する可能性があるためで、環境影響評価がやり直しとなった場合、移転完了は早くて2028~29年になるとみられており、嘉手納より南の土地・施設返還計画にも大幅な遅れが生じることになる。

 国防総省は、先月17日に公表した補足的環境影響評価書(SEIS)で、実弾射撃場の最有力候補地に同島北部のアンダーセン空軍基地内を挙げていた。しかし、近郊のグアム国立野生生物保護区に影響を与える恐れがあることから、住民らが反対した。

 候補地選びが再び振り出しに戻るのを回避するため、グアム選出のボダリヨ下院議員は、保護区の一部を閉鎖して射撃場を確保する内容の法案を作成。これを受け、同29日に開かれた公聴会で、米魚類野生生物局は「絶滅の恐れのある希少動物の生息地を危険にさらし、政府の保護活動を妨げる可能性がある」と懸念を表明した。

 しかし、ボダリヨ議員は「実弾射撃訓練場が建設できなければ、移転計画は実現できない」と強調。下院軍事委員会の国防権限法案に、作成した法案を盛り込んだが、住民らの強い反発を受け、7日に法案を取り下げていた。

 グアムのカルボ知事は8日に声明を発表し、米海軍省グアム統合計画室(JGPO)が移転計画に遅れが生じる可能性をグアム政府と米議会に通知したと明らかにし「実弾射撃場の候補地が選べなければ、少なくともまた1年は遅れる」と計画への理解を求めた。

 国防総省は、補足的環境影響評価書を反映した基本計画書(マスタープラン)の概要を5月中に米議会へ提出し、2015会計年度(14年10月~15年9月)予算の凍結解除を求める方針だった。