宅配事業国内最大手のヤマトホールディングス(東京都、木川眞社長)はANA貨物ハブを活用して、香港に展開している国際クール宅急便を早ければ年内にシンガポールと台湾にも広げる。両国の関係者と通関や検疫などの受け入れ態勢を最終調整しており、木川社長は「本年度の上期には実施したい」と早期展開に強い意欲を示した。(照屋剛志)

 ヤマトは、昨年10月から香港へのクール宅急便事業を開始。最短で翌日には指定場所に届く。インターネット販売での生鮮食品などが好調で、取扱量は順調に伸びている。特に北海道産タラバガニや青森産リンゴなどの高級食材の人気が高いという。

 これまでの香港での実績を踏まえ、経済成長に伴い、富裕層や中間所得層が増えている東南アジア市場では、日本の農水産物のニーズが高いと判断。木川社長は「クール宅急便は順次拡大していく」とアジアに幅広く展開する意向を示している。

 シンガポールと台湾のそれぞれの受け入れ態勢が整い次第、実施する予定。国や地域によって、通関や検疫の体制が違うため、香港で展開しているサービス内容とは異なる見通し。

 国際間のクール宅急便事業は世界初。木川社長は「ヤマト独自のサービスで、世界で十分戦っていける。日本の農水産業の振興にも貢献したい」と意気込んだ。

 同社は2012年から那覇空港を拠点に東南アジア5カ所への常温の国際宅急便を実施。最短で台湾、上海、香港に翌日の午後2時以降に配達。

 シンガポール、マレーシアは翌々日午前から届けている。