【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設事業について、政府がボーリング調査と実施設計後に予定する本体工事の着工時期を、来年春ごろから今秋に前倒しする方向で検討していることが10日、分かった。政府関係者が明らかにした。11月にも予定される県知事選前の着工となる可能性もあるが、物理的に難しいとの見方もあり、どの程度前倒しできるかは不透明だ。

普天間飛行場の代替施設建設のスケジュール

 政府が着工を急ぐのは、仲井真弘多知事が求めている「普天間の5年以内の運用停止」など、県の基地負担軽減の要望に取り組む姿勢を示すことが狙い。ただ、知事選前に目に見える工事が進むことで、反対運動の激化は必至。知事選への影響を考えると、政府への反発をさらに招く事態になることも予想される。

 昨年12月の仲井真知事による辺野古の埋め立て承認後、政府は一刻も早く工事を進めたい方針を強調してきた。ことし1月の名護市長選直後から、設計や環境調査などの公告・契約を進めており、夏には今月中に業者を選定予定の海底ボーリング調査と、その後に実施設計を控えている。

 移設作業を担う防衛省は、「埋め立て承認を得たからには一日も早く進めたい」と強調するが、ボーリング調査の時点で反対派との衝突や、市長権限で移設工事を阻止する姿勢を明確にしている名護市との調整などで時間を要するとみており、大幅な工期短縮の実現には懐疑的な見方もある。